なにより学生の頃から絵は下手で、美術の成績はいつも下のほう。
小学生や中学生の頃、美術の時間に作った作品を家に持って変えると、
うちの親父が、真っ白い絵の具で塗りつぶし、
勝手に自分の作品に作り上げていたのをよく覚えています。
(うちの親父は京都の着物手描き友禅職人です)
なので小さい頃の純粋な自分の作品はあまり残っていません。
そのためずっとトラウマじゃないけど、
なんとかく絵を描くことに疎遠になっていました。
それでもなんとかうまくなりたいと思い、イラストレイターなんかを使ってみましたが、
やっぱり楽しさを感じることはあまりありませんでした。
そんな感じでずっと過ごしてきたんだけど、今回ITmediaのBiz.IDさん主催で
「タブレットでお絵描き講座」というのを開くというので、参加してみることにしました。
★全てが初めてだけど、30分で何かが変わった
私のスペック的には、タブレットは初めて、お絵描きも初めてで、絵には苦手意識があるといった感じ。2時間という短い時間なので何かのきっかけになればと思い参加してきました。
とりあえず最初の30分くらいで出来上がった画像をお見せします。

自分で言うのもなんだけど、全て初めてでたった30分くらいでここまで書ける
のってすごくない?と感じてしまいました。
★今回使用したタブレットとお絵描きソフト
まず今回利用したアイテムから説明しないといけないですね。
▼タブレット
・ワコムのペンタブレット「Bamboo」

▼お絵描きソフト
・Corel Painter Essentials 3

まずタブレットについてですが、正直な話「なんか難しそう」
という勝手な固定概念がありました。
実際に触ってみると、良くなったかというとそうでもなく、
やっぱり最初使いづらい印象を持ちました。
腫れ物を触るみたいに、そーっとそーっと使ってる感じですね。
それでも5分くらい白いキャンパスに落書きしてると、なんか知らないけど
楽しくなってくるのが不思議な感覚でした。
それとタブレットに対して完全に誤解してたことや「へー!」と驚いたことが
あったのでご紹介したいと思います。
■キャンパスに絵を描くためだけのツールだと思っていた
タブレットは白いキャンパスが合って、そこに絵を描くためのツールだと
思ってましたが、そうではなかったです。
極論を言えば「マウス+α」といったツール。
タブレットのエリアが、画面のエリアと全く同じなので、簡単に言ってしまえば、
「画面のモニタがタッチパネルになった」ような感じである。
例えばスタートキーからシャットダウンも出来るし、他のソフトも全て操作できる。
そういわれてみれば、マウス代わりにタブレットを使う人もいたなと思い出しました。
■空間認識してくれる
上の話でいくと画面をタッチするときに今どこの場所にいるかがわからなく
なってしまわないかという心配があるのだが、実はこのペンすごくって、
タブレットの数センチ上まで空間認識してくれます。
つまりペンを握ったまま移動するとマウスカーソルが動いて、実際に操作したいときにタブレットにペン先を落とすといった操作になります。
もちろんクリック、ダブルクリック、ドラッグアンドドロップ全て出来ます。
■使い方がペンと一緒
これはお絵描きソフトによるところもありますが、驚いたのはまず筆圧機能。
強く押せば強く色が出て、ゆるく書くと薄くなります。
また描いているとだんたんと擦れて薄くなってきたりなんかも。
なにより一番おどろいたのは「消しゴム機能」。
消しゴム機能はツールから選んで消しゴム選んで、ペンでなぞって・・・
と思っていたのですが、なんとペンの後ろ側についていました。
あーそういえば昔のシャーペンとかって後ろに消しゴムついていましたね。
あんな感じでクリクリ擦るとその部分だけ、綺麗に消えてくれます。
★お絵描きが簡単に出来る秘密
さて今回全てが初めてで、30分でコレくらいの絵がかけてしまいました。
なぜこんなにうまくできたのか?それは「トレーシングペーパー機能」(勝手に命名)があったからです。
トレーシングペーパーって今も普通に売ってるのかな?
下がすける薄い紙でその上をなぞったりするためのものです。
昔、絵が下手だったときマンガとかの上にトレーシングペーパーを引いて、
キャラクターを描いてたり(写してたり)して遊んでたのを思い出します。
それと全く同じ感覚で行えるのが、このトレーシングペーパー機能です。
今回まず用意するのが写真素材。

コレの上にトレーシングペーパー機能を使って絵を描いて行きます。
なによりこの機能がすごいのは、トレーシングペーパー下の色を、美味い具合に
取ってきてくれるということです。
まずペンをおいたときに下地の色をとってきてくれます。
それから引き伸ばしていくと、先ほどのペンの話でもしたように
筆圧と、かすれていくことにより、色に濃淡と伸びが出てきます。
感覚としては、筆を持ってる感じで、サッサッ、サッサとサクサク塗っていく感じです。
それで数分もすればもう完成。それがこの画像です。

「そんなのみんなおんなじになるんじゃない?」って声が聞こえてきそうですが、
これがびっくりすることに全く違う絵になります。
ペンの種類、太さ、筆圧と塗り方や方向など、様々な要因で本当に全く違った
作品に仕上がります。
先生いわく「作品に人の性格が出るもんなんですよ」とおっしゃってました。
そうやって自分の作品見ると荒々しいというかおおざっぱという印象を受けます。
★2枚目は人物画を描いた
1枚目は美術によくありがちな「りんご」ということで、次は人物画を描いて行きます。
ここで先生から提案が「折角だから他の方の顔を作品として描いてみましょう」
という人間関係を崩しかねない提案が。
私は参加者である男性(高山さん)を描くことに。
この写真が素材。

そして出来た作品。

なんか被写体に大変失礼な作品になってしまいましたが
絵としては結構うまく書けたかなと思ってます。
★驚くくらい簡単だった
自分が短い時間でこれだけのものを書けたことに驚きを感じました。
それも絵もなにもかもが初めてだったにしては、2時間でここまで出来たのが嬉しかったですね。
感覚としては「塗り絵をしてる感じ」。
輪郭なぞって、塗り絵して、ちょっとデフォルメして、まちがえたらアンドゥ
って感じですすめて行くだけなので、とっても簡単です。
何より色パレットを基本的に全く使わなくても絵がかけてしまうってこと。
トレーシングペーパーすごいです。
今回やってみて一番大きかったことは「絵が描くことが楽しい!」と思えたこと。
「下手だからな・・・」とか「綺麗に書かなきゃ!」って気持ちが強くて、
食わず嫌いみたいなところがありましたが、これなら楽しくお絵描きできそうです。
だからといって画用紙買ってきて、水彩が描けといっても無理ですね。
やっぱりデジタルで、いろんな機能に助けられないとという感じです。
それでも「かけるようになった感覚!」ってのが個人的には非常にステップアップにつながりました。
これはゴッホモードで作ってみた作品。

★今回、お絵描きを教えてくださった方
今回「タブレットでお絵描き」を教えてくださったのは、ヒラヤマユウジさん。
グラフィックデザインからキャラクター、イラストレーション、コミックまでマルチにこなされるクリエイターの方です。
普段はご自身の作品を作られているのですが、今回は特別にタブレットでお絵描きの講座をしてくださいました。
トークが少し皮肉ってたりして非常に、面白トーク満載でした。。
教え方がとてもうまく、美術に無縁な私でも2時間で面白く感じることが出来ました。
お絵描き講座の後、お食事をご一緒させていただいたのですが、
「細かい使い方なんて教えなくもいいんです。楽しいと思ってもらうことが大切。
そしてまたやってみたいな、と思ってもらえれば成功なんですよ。」
とおっしゃってたのが非常に印象的でした。
そして最後に、今回ヒラヤマさんをはじめ、会を企画してくださったITmedia Biz.IDの鷹木さん、百式の田口さん、タブレットをご用意してくださったワコムの池田さんを初めとした皆様に、お礼を申し上げたいと思います。
★今回利用したツール
ワコムの人に聞いてみたら「BAMBOO ART MATER」というのが、今回使った
全部入りのだそうです。Amazonで18000円くらいですね。(タブレット・ソフトウェア・初心者向け使い方ガイドブックまで付いてるそうです。)
タブレットやお絵描きソフト単品はそれぞれ結構値が貼るのですが、
セットで買うと結構変える値段ですね。(実はもっと高いと思ってました)